2007/08/20 memory plus at 東大
参加者: 40-50ぐらい
- 注意:
- なにか問題があれば連絡してください。すぐに直します。
- ぼくのログのスタイルは「全部取る」なため冗長です。
- Q and Aで、Aは常に発表者です。Answerになってないこともあります。
-
-
- -
-
暦本さん
Vannevar Bush, "As We May Think", 1945
LifeLogに総称されるような、自分の体験を記録して、あとで役に立てようという研究が多くなされている。
今回As We May Thinkを読み直しておもしろかったのは、たとえば額のカメラはとりっぱなしではなく、袖までにシャッターが伸びていて、大事だと思ったらシャッターを押すという想定のデバイス。
何でも記録してやろう
LifeLog
- LifeSlice
- MyLifeBits
- Time-Machine Computing
- 記憶する住宅
- SenseCam
テクノロジで、周りの写真を撮って保持することはできる。ただ、それが記憶というかは疑問
Brian Clarkson's Ph.D System (MIT MediaLab)
カメラをつけて、周囲の風景をキャプチャし、過去とマッチングさせる。
- Bulky
- Social Acceptance
- Difficult to estimate location
魚眼レンズでとってあり、過去のシーケンスと今の風景とのマッチングをとる。
人間がずっと歩くというシーケーンスに対してrobustである。音声認識は、音声の流れの中でマッチングをするというのの画像版。
「前はこっちにいった」という過去から未来の予測が可能。
過去とのマッチングをとるというのが技術的にchallanging。それ自体が研究テーマになっており、それができた後どうなるかということにはまだ。
LifeTag
- PlaceEngineのタグ (Friskサイズ)
- 場所をとり続ける
- WiFiLocation Sensing + LifeLog
- AVR Microcontroller
- USB Interface
- 3分に一回ぐらい場所を取る
- WiFi
- 普通に充電して一週間持つ
- GPSではできない屋内認識も可能
- Locationが完璧に取れる人生はうれしいのかうれしくないのかの検証
単にLoggingするだけじゃなく、場所のブックマーク可能(興味があった場所があればボタンを押す)
- 屋内外を問わず、個人の一履歴がきわめて実用的に記録可能
- 位置によって、画像処理の検索空間をすごく絞ることが可能
LifeVector (Subject "R", 2006-8-2007.3)
行動履歴を全部足すと、自分がどこにどれぐらいいたかという存在確率の分布を地図上に描くことができる
- Subject"R"のpreference、行動予測ができる
- 検索エンジンと組み合わせるとさらに精度が高い検索ができるだろう
- 夜によく銀座にいく人に対する店検索
体験演算: Experience Arithmetic
- ある人とある人が同時にいたとかがわかる
認知地図
よくいく場所を大きく表示
Which day is your "special" day?
- 行動パターンが変わったところを色で表して、カレンダー状に表示
インプラント型
人工内耳 と人工網膜
- http://www.medel.com
- 割と実用的
- 聴覚を再現する器具
- 生きている神経を壊さないでAdd-Onできないかはまだわからない
- 拡張デバイスとするといいのでは
- 健常者に入れてもいいのではないかと思う
- http://www.optobionics.com
- 実験的
- 網膜にいれる
- 電源が難しい(medelは電磁誘導で電力供給)
- 可能性としては自分がみているものを全部記憶する
- WHERE
- WHO
- WHEN
- WHAT
- HOW
- WHY
- WHERE-WHEN-WHO-WHATまではできるが、
- HOW-WHAYは難しい
それは記録であって記憶ではない
- 記録としての側面を追求
- 「マップ」としての時間
- 「共有」
- 「思い出す」ということと地図は全然違う概念
- 地図は客観的
- LifeLogはマップ。
「いつまでもデブと思うなよ」 岡田斗司夫
- 117kg -> 67kg
その方法は レコーディングダイエット
-
- 食べるものをすべて記録する
- 記録し始めた時点で10kgやせた
- (後でカロリーも記録し始めた)
- 体重・体脂肪を記録
- 食べるものをすべて記録する
客観的に記録してみるという行為そのものが人生観に影響を与える
Q and A
- Q: MITの人の研究に関してだが、これだと記録するだけで本人へのフィードバックがない
- A: 人工強化記憶の研究の前段階だけをやっている
- Q: だとして、デジャブの再現でしかないから、他人と共有しないと広がらないのでは
- C: 画像はすごい量だから処理できないので割り切った
- 場所を思い出してどう、というのは年を取った時に忘れやすくなり、教えてくれるとすごいうれしい。
- この人は何月何日にどこであったかをこそっと教えてくれる
- C: 顔認識の方が状況認識よりうれしいかもね。
- Q: 人工内耳である必要は?骨伝導イヤホンではだめか?
- A: してみないと分からない。外観に影響を与えない点がいいと思う。
- Q: 魚眼レンズで写してどこを見ているか分からない
- A: 眼球運動と画像のキャプチャは違う感じ
- Q: attachするカメラと視線との違い
- 体のどこにattachするかによって後からどう利用するか
- 頭につけてるカメラは使えない
- 顔はきょろきょろしてて、体が向いている方とは別
- 次のattensionに対して向いている。
- 胸につけているカメラはもっともstable
- 視線によったカメラは使えない
- たいてい次に関連するタスクに注視している
- 情報を取り出す役にはたたない
- タスクが終了するころには次に動いている
- Q: 目玉の映像信号はそのままは使えない脳の視覚処理と同じことをリアルタイムで行わないと
- A: 三秒間以上注視したらComputerに指示を出すとか
- Q: そういう装置があることを前提としたoperationならばそれなりに使えるかもしれない
- 無意識になにかをしたのを後から取り出したい場合
- LifeTagでのbookmarkingでは二つの問題
- bookmarkしすぎてどうするか
- bookmarkしてないところを思い出したいときどうするか
- A: MITの人が言っていたが、定期的なキャプチャと、ユーザが明示的に指示を出す方法とではあんまり有意な差はなかったらしい
- Q: 脳とはまったく違うアプローチの方がおもしろいと思う
- 人間の脳はそんなに柔ではない。
- 脳に似せるよりは割り切って、全部ログを取ってやる、という方が暴走してておもしろいと思う
- 人間のシステムに引きずられない形でどうやるか、という方がおもしろい
- A: たしかにSubject"R"の行動記録やその解析とか脳ではできない
-
-
- -
-
河野恭之さん : テクノロジーによる記憶の拡張は可能か?
記録するというのがいかに重要か
- 歩数と体重の推移グラフ
- 定量化して記録していくと目標ができる
- 結果: 着実に体重が落ちている
記憶拡張への基本スタンス
- 人間の一生分の記録に必要な容量は10TB
- 全部記録(録画)しておいて必要な記録をあとからみればよい
- 「この人はだれ」
- 「あれはどこ」
- 「ここで何をした?」
- あとから思い出せればいい
記録 == 記憶
- 昔から人は記録から知見を得てきた
- 書物・絵による知識の継承
- 記憶を絵に圧縮: 動画 -> 静止画
- 記憶を言語に圧縮: 動画 -> 文字列
- デジタル時代の記録は?
- 画像・映像が記録閲覧可能になれば記憶は?
- 「記録==記憶」の妄想は過去に多数
- これから紹介
悪夢・デジャブ: 思い出したくない系
人生記録・演出、書き換え系
- 記録の検索
- 「Final Cut」
- 人生記録演出
- その人の一番いいシーンを切っていく
- 「Matrix」
- 記録の書き換えと記憶の書き換え
憑依系
- 「入れ替わり」
- 他者への進入
- 「攻殻機動隊」
モニュメント・人型メモリ
- 「トライアングルブレイス」
- 死んだ人の形を残してやる
- 大きなのっぽの古時計の歌
- 人が記憶しているというより古時計が見ていた記録?
- 古時計に対する記憶
作ったもの
- 思い出し系: その場所での出来事
- Residual Memory
- 即物系: もの探し
- I'm Here!
Residual Memory
- 常時獲得画像からの類似映像検索
- 記録: 映像のセグメンテーション
- 検索: 移動情報を利用した映像検索
- 実時間類似映像検索
- 1. ジャイロを利用した画像補整、映像のセグメンテーション
- 頭が動いている領域に対しては類似検索をしない
- 2. 位置に依存した観測画像の連続性を考慮した高速検索
- エレベーターの前に来る映像からこの前エレベーターの前ですれ違った人の映像を検索
I'm Here: 物忘れ防止ウェアラブルIF
- 対象物をカメラの前で回転させて登録
- カメラで視点方向の映像を常時取得・記録し、保持物体を認識
- 登録済み物体が写ったら記録
- もの探し発生時: 探したい対象物をリストから検索
- 対象物が現在ある(であろう)場所の情報を*映像として*提示
- 最後に記録した映像が表示
ObjectCam2
I'm here 用の近接物を簡単に取り出せるようなカメラを作った
I'm Here (ファッション展開)
- 奈良女子の人にヘルメットなんかかぶりたくないと言われた
- というわけで、腰につけるポーチ型にした
- 実は腰につけた方がもの探しという観点に対しては適している
- 物を置いた時には人の頭は別のところを向いている
「妄想」と比べて
- 「日常生活」には驚きが少ない
- 映画とは異なる
- 日常を扱うことは難しい
- ありふれた出来事 = 大量の類似イベント
- ここから検索することが課題
過去を振り返るだけでよいのか?
その先に自分がすべきことを教えてくれるわけではない
- はやりの記録利用形態
- ソーシャル・集合知
- 過去にみんなが検索したのはこれ?
- あなたが買った物を買った人は過去にこれを買った?
- それで満足?
- ソーシャル・集合知
- 未来志向!: Contextの収集・利用
- 結局は(現在を含む)過去を利用することになるのか
答えはでてない。
といいつつ現在目指している物
Q and A
- Q: 腰につけた奴のカメラが横に向いているのは?
- A: ベルトの位置から人間の手が動く領域がなんとなく撮れる
- Try & Error で決めた
- Q: 携帯電話を登録するときにカメラ前2cmで撮っていたが、そんなカメラがあるのか?
- A: あれはテレビ用
- Q: 写して見せるというだけで忘れなくなるのでは?
- A: それはmiss readingかも。登録は一回だけ。
- Q: 登録し忘れた物こそが忘れやすい。
- A: おっしゃるとおり。半分YESで半分NO
- カップと鍵の置き忘れが非常に多い
- Q: そこまでいうと、最後に必ず写るという保証が必要
- A: ユビキタスアタッチドカメラというのもいいかもな。
- Q: 記録したものの好ましい再現のタイミング
- 人は記録したと分かっているものは見直さない
- あらゆる運動会のビデオは見返さない
- 女子高生は機種変してもメールはそのまま
- 本人が予期せぬタイミングで価値が出る
- 人は記録したと分かっているものは見直さない
- A: 実世界のものに対してカメラ映像を仮想的に貼り付けるという研究をしていた
- 誰かからもらったプレゼントに映像を貼り付ける
- 記憶とか記録を再現するキーとして実世界のものを利用する
- 大きなのっぽの古時計が覚えている
- 古時計が、人が記憶をretrieveする鍵となっている
- Q: I'm Hereに関して
- もの忘れ防止の映像を取っていることをしていると、安心してどんどん物忘れをしそう
- A: 技術が出てくると人の能力が落ちるという話は前からある
- 仮名漢字変換で字を覚えなくなるという話
- マシンがあれば字を書くなんてレガシーなんてことしなくていい
- ものを忘れないようにするアプローチがいいのか?
- ぼくはぴんときていない
- ものを忘れないようにするためのデータを全部持っていなければならない
- 曜日によって持って行くものが違う場合、ややこしい
- Q: 外に出すと確実に忘れる、というのはblogである
- 検索すると悩んでいたログだけが見つかって一歩も進んでない
- 固定化されたことはある。
- 外だししておくと誰かが書き込んでくれるかもしれない
- A: 外だしすればいいかというとそうでもない
- 被験者Rの情報がリアルタイムに見れるといやですよね。
- R: それは程度問題。
- A: 映像記録が見られるとうれしいこともある
- 自分が持っているカメラだと自分は絶対に撮影されない
- ほかの人のカメラからは自分が見えるかもしれない
-
-
- -
-
美崎薫+さん
- 記憶と記録は違うよね
- 未来と過去: 過去だけためててもしょうがないよね
- 岡田斗司夫 = 実践者
いまここのエッジ感
いまここ
- 身体的なことが重要
- リアルなこと
- 主体的なこと
- いまここじゃないもの == いつかあそこ
記憶する住宅
- 住宅は記憶しない
- 見ることで記憶が活性化される
- 普通の住宅のなかにコンピュータを埋め込んで記憶を補助してもらう
- 提示して記憶を活性化し、未来に役立てる
ハイパーテキスト
- 1990年: 退屈
- あれってこれ?とつながる時代が訪れる
- サーチエンジンは記憶ではない
- ハイパーテキストは、浅い階層でつながっている
- わずか2階層で75%
- 3階層で98%のものを見つけられる
- 日記を書きながらメールを書いていると
- ありとあらゆるものがリンクしている
- 古いところにも常に張り直している
出てくる体験を数値化: 567発見
- 「あっ」と思うたびに数えた
- 白鯨とヨナ書とピノキオは同じなのか、とか
なくした体験を数値化: 9例
- 見つかったが代替品を入手: 30回
- ものが見つからない: 64回
- データは見つかることが多いけど物は見つからない
SmartCalendar
- 画像10万枚で手では無理(2002)
- 脳が活性化されて、翌日に悪夢をみるようになったり。
- 写真
- イラスト
- 文書
- 「初めて使えるアイデアメモが出てきた」という評価
- 「観察する」そしてそれに気づくことが重要
- ただ見てるだけだと見てない
読み取れることは知識の数で増えていく
頭をからっぽにすること
- 毎日思いついたことをすべて叙述していくと、
- 翌朝発想/啓示にあふれて目が覚めることが最近増えた
PilePaperFile
- カレンダーがいやだ、という人が多い
- 紙
- たくさん感が重要
- 選択肢がゆだねられることで得られるリッチ感のこと
- たくさん感の適当な分量はいくつか?
- たくさんとは100個だ
- 書棚モチーフ
- どこまでリアルにするか、どこまでリアルにしないか
を考えて作っている
大きさ
- 意識よりも無意識が大きい
- でもそこまではできていない
- 無意識よりも脳の方が大きい
- 脳よりも体の方が大きい
- 体よりも住宅の方が大きい
- 住宅よりも社会の方が大きい
- 脳は空よりも広いという話もある
- はたしてそうなのか?
- 記憶する住宅が記憶しているのであって、
- 美崎薫はなにも記憶してない可能性がある?
コンピュータによる記憶
記憶を支援してくれる
- 過去を共有するコンピュータ
記憶する住宅はすべてを記録できているか?
- 意識か、イメージか、言語か
- ギャップがある
- 「黒子」という漫画。名無しの神がすべてを記録している
- 情報だけじゃだめ。それを生き返らせる方法がないとだめ
幼児期健忘症
- 四歳までは全部たどれるようになったがそれ以前はたどれない
- 幼児型記憶
- 不変、フラッシュバック型
- 成人型記憶
- ストーリーがある
- フラッシュバック型記憶は外傷型
- 思い出すのがつらい場合もある
心はどこにあるか
- そういえば増井さんのpoboxを使ったときに増井さんになった気がした
Q and A
- Q: 映画の画像の検索は
- A: 公開年が分かったのでそこから映画が分かった
- 同じ時期のフォルダを探してたら別の写真が見つかった
- 検索して発見するよりか、見て分かる
- 検索の時間は結構長い。1時間とかかも
- Q: 記憶の話で、食べる話
- 「ワイズマン」という話。心臓を食べて記憶を伝承していく
- Q: ぼくは記憶が人よりあんまり消えないみたい
- 幼稚園の記憶がある。でも、ふられた思い出がいっぱいある
- A: 忘れないと幸福な一生を送れないと言われているけど、
- いやなことを乗り越えて今生きていると思うと強くなれるらしい
- Q: (drop) 価値観を
- A: 同時に画面に出ている。大きく出てるということが
- Q: 大きく開いているということ事態が美崎さんの操作の結果リンクが始まっているのでは
- A: それだけじゃない。
- Q: インスタンスが50万ぐらいあると意義があるかも
- Q: 著作権とか細かいところはどうでもよくて、グランドデザインはどうなのか
- 肥大した自我というイメージを受ける
- 外部脳は内部脳とはまったく違う
- ここまでやってるのにもったいない
- A: 今はもったいなくてもいいかなと思っている
- 誰にも理解されないのでまあいっか、とか。
- Q: 不老不死とかそういうのは脳科学の人間としては世迷い事
- メモリーのアバンダンスが外に出てくると、
- プライバシを考慮した公開の仕方とかがチャレンジング
- 美崎さんが2,3人いたらどうなるか。一万人いたらどうなるか
- A: 暴走する準備を進めます
- Q: 美崎さんはご自身としか対話したくないのでは?
- A: 時々そういう風に言われます。
- 自分の中で出てくるのと、伝えるのはちょっと違う
- 揺れてて、広めた方がいいと思うこともある
- でも、怖いと言われるとなぁ。
- 「仕事が終わると全部」
- 「時々落ち込むことがあるけれど私は元気です」
- 会場笑い
- (ロガーの私見) みんな笑えるのは記憶が共有されているから?
- Q: 茂木さんご本人にさせてみるとか
- Q: 検討させていただきます
- Q: 学生に自分の記録全部を見せてたら一月で逃げられた。なんにもおもしろくなかったらしい。
- A: そうだと思います
- うまくだせた上澄みの部分はおもしろいが、日常的なことはおもしろくない
- Q: 情報をためこむ作業ですが、データを作る部分は負担では?
- A: 最初スキャナでスキャンしてた。当初は大変だった。
- 最近スキャナがよくなったので、一日1時間
- 一冊置くのに10分。おいたら勝手にスキャンしてくれる
- 断裁機を買った。これは無敵。本はバラスのが大変だった。
- Q: 美崎さんのメールはひどい内容。普通挨拶とかあるが、美崎さんは画像だけとか日記のこぴぺだけが貼ってあるメールとか平気である
- A: 内部と外部の差がうまくついてないのかもしれない
- Q: 挨拶をメールに書くのは日本人だけ。アメリカの研究者とかだとよくあることじゃないか
- Q: もう一人美崎さんみたいな人が出てきたら争うとかあるかも
- A: 本を断裁してスキャンすると、本を大切にする人に怒られる
- 本をばらして見えてくるのとは全然違う体験なのに。
-
-
- -
-
Coffie Break
- 外に出すときは上澄み(まとめ)にしてほしい
- そのままだと受け入れる人のことを考えてない
- 順序がないと人は分かってくれない
- 時系列とか、関係順とか
- 自動的に上澄みを出してくれるといいな
- 自動的にそこまでできるなら、論文書くのに苦労しない
-
-
- -
-
野島久雄さん: 思い出を語るということ
- 現在の興味
- 人にとっての思い出の役割
- 電子的な思い出の保存とその問題
思い出工学
- 思い出の社会的な意味
- 人々が思い出を語る
- なんのために?と言われる
学びの森: 2006年度 春夏・秋冬
- 町の記録をまとめようと思ったがあんまりうまくいかなかった
- 記憶の心理学から思い出の工学まで
- 技術としてみれば、記憶することは可能になった
- それをどう利用するかがなかなか見えてこない
- インターネット時代に思い出を語る
講座のねらい
- 「思い出」の心理学と工学
- インターネット
- メディア技術
- 「思い出」を語ることの重要性
- コミュニケーションの素材としての思い出
- 技術による思い出支援の可能性と危機
- 外による知識の利用
今、なにが起こっているのか
- 心理・社会的な観点から
- 自分自身を捜し、残し、伝えたい(自伝、ブログ・・・)
- 思い出の意味(回想法)
- 工学的な観点から
- 外部情報源への依存
- 個人的な記録への注目
- 黒川由紀子「百歳回想法」
- 楽しく、リハビリ
- 何のために思い出を保存するか
- コミュニケーションのため
思い出コミュニケーションとはなにか
- 語るべきイベントは、人に語ることによって深まっていく
- 自己の確認: 思い出を振り返ることに重要性
- 自己の統合: 過去の自分、現在の自分、未来の自分を統合
- 他者からの承認: 思い出を語る相手がいる、聞いてくれるひとがいる
- 関係やコミュニケーションを活発にする
- 写真を元に思い出を語ってもらう
- 被験者もハッピー
思い出の今
- 語りたい・残したい人がいて
- 語る技術・残す技術が存在する
- しかし、
- 本当に語りたいことが語られているかどうか
- タイムカプセルを作る
現在の取り組みで考えていること
- エンタテインメントとしての質の確保
- 思い出がそれ事態で鑑賞の対象となること
- ただたんに自分語りの場になってしまう
- 思い出がそれ事態で鑑賞の対象となること
- 素材をただ単に出すのではなく、見られるアート的な物にしなければ
- 人間関係の重要性
- 人に対してしゃべる
- 語り手であると同時に人の話を引き出すファシリテータが重要
- 記録としての価値
- 語られたものは公的な側面とをもつことになる
最近の授業
- 一人8枚思い出を書いてもらう
- 自分の人生を一年ごとに一枚のpostitに書いてもらう
- 20歳より72歳の学生の方が4倍長い
思い出を語る場で考える必要があること
- 思い出を語る場は楽しい場でありうる
- 自分史、自分語りの会
- しかし、単に語ればよいのではない
- 語るための場・方法論が必要であること
- 語ることを正当化する仕組み
- プライバシーの問題
- 顕せるだけの理由
- 人目に触れさせるだけの質があるか
- 未来の自分、第三者の目から見て
- 語るための場・方法論が必要であること
Memory + への期待
- 思い出の工学をやってほしい
- 思い出を簡単にエンターティンメントにする仕組み
- どうすればみんなに使ってもらえるか
- 適切に情報が失われる仕組み
- 思い出を簡単にエンターティンメントにする仕組み
- 思い出の心理学の課題
- 思い出における真実とは
- 実質が残っている必要はない。
- 思い出コミュニケーションが重要なのか
- プライバシー概念はどう理解されるのか
- 社会的な意義をどうやって理解してもらうか
- 思い出における真実とは
思い出と工学をつなぎたいが、なかなかうまくいってないのが現状
Q and A
- Q: 太平洋戦争の話が出てたが何歳ぐらいの人?
- A: 一番上が1932年生まれ。下が20歳が一人だが、それ以外は60ぐらい
- Q: 思い出の印象は後から変わる。だから、全部取っておけば?
- A: 60代以上の人に子供の頃の話をしてもらってもあんまり
- 今後やってもらうと意味があるのかな、と。
- あった方がいいが、なくても結構盛り上がる
- Q: 日本のWebのページは日記の率が高い
- mixiを入れるとすごい
- Q: 思い出話をすると仲良くなれるとあったが、
- 占い師の人がする誘導尋問と関連があるのか
- A: ある種のコミュニケーションテクニック
- 自分自身を表に表すことは、人間関係を近づける物
- それを引き出すのは対話のテクニック
- Q: 思い出を語るときのきっかけは他者からもらい、
- 語るときの扉をあけるのは自分
- 情報と記憶は一緒くた
- 古いニュース映像を見ていると予期せぬ事が起きる
- ネット上ではまだ。それはどれが主観でどれが客観だか分からない
- A: 語るための仕組みや理由を作る。この講座が終わると
- こういうものを作ってできますよ、というのが理由になる
- 年表を作って保存、記録するその人の人生が残る、という
- 枠組みを作るというのは意味があるのでは
- 今回は思い出に興味がある人に語ってもらったが
- そうでない人にもいいのでは
- 60代の人は、「自分の人生は語るに値しない」という人が多い
- そうでないんだよ、というのを示すためにこういうのを見せる
- Q: そういう実験の時に、仮に全部publishしていいよ、というもの
- にしたらどう?
- A: そこがあんまり分かってない。
- 名前を出しません、と言って出てくるかもしれない。
- 乗っけることがどういう意味を持つのか想像できない
- 日記を公開するとどうネガティブになるか
- Q: blogは人に読まれていいものだけ書いてある。それはペルソナ、別人格であり、本当の自分ではないのでは。
- blogだけしかないと、その別人格だと思われない
- A: 普通の人は晴れの日しか写真を残さない。それでいいのでは。
- Q: 語ってしまったことだけ注目していいのかな、
- 語らなかったことに真実があるとか、ギャップがおもしろいのでは
- A: 興味深い。我々も見てみたい
- Q: 自分が出したことが好ましい結果として戻ってくることを
- 学習しない限り公開しないのでは。
- Q: 書いている人はいいことしか書いてないのではというのはその通り
- 全部丸出しにしているといいこともある。
- A: それはcost/benefitを計算して出しているが、
- 普通の人は計算できないし、出してもいいことがないと思っている
- プライバシが
- Q: 違う人、違う世代同士が思い出を元ににつながる
- A: 学生を巻き込んでやりたかったが興味ないと言われた
- 20歳の学生というのはよその学生だったり。
- 大学なんかではおもしろいのではと思う
- Q: 聞き手がいて語るのと、一人でぽつぽつと入力するのはあきらかに違う。そのあたりが工学的にできるのでは
- A: 作るときは一人でぽつぽつ。それを持ち寄ってみんなでしゃべる。できあがったあとのプロセスがおもしろい。そっちの方に興味がある。それをサポートしてくれる技術が欲しい
- Q: 共有が重要であって、 (drop)
- A: できあがった最後にこんなものができますよ、と見せるといい
- A: 目的は大学を知のアーカイブにすること。
- 問題点はリピータが出てしまうと去年と同じ事ができないこと。
茂木さん
まずいいたいこと
- 記憶のシステムとは、過去のことを覚えていることではない
- 脳に記憶がある意味は、未来に役立てるため
- 人間の脳と同じ事をやっても意味がない
- 違うアプローチをすることに意味がある
記憶の取捨選択
- 単語を記憶する課題
- 記憶するように努力するが、記憶できるかどうかは別
人間の記憶は、入り口でそれを覚えているかどうか取捨選択している
現実と反現実の間の相互作用
- 起こらなかったことも重要
- ああすればよかったと、後悔することも重要
記憶がいかに編集されて相互作用するか
- 一週間の出来事
- 夢の中には、ほぼ一週間内のものが出てくる
- 1,2日前が多く、だいたい下がって4,5,6日ぐらいでまたあがる
- 短いのは海馬、長いのは側頭葉
- 時空間の間の離れているところをお互い結びつけている
Intentional binding effect
- 脳は主体的に行動している
- 主体性は時間的なパラメータの上で起こる
- 自分がなにかアクションを起こしてそのフィードバックを見ている
(drop)
ある時にあるイベントが起こったのは、物理的な時間順序で記録されているのではなく、自分がなにかをしてその結果という物語の中で記憶している
解離性同一障害
- 記憶を抑圧することで新しい人格を作り出す。
- 幼児虐待記憶を思い出せる人格と思い出せない人格しかない。
偽の記憶
- 幼児虐待の記憶がセラピストによって作り出されてしまう
- 未知の体験を予想しようとすると、今までの記憶を組み合わせるしかない
- 脳の記憶の存在理由はこれからをよりよくするため
そのためには、脳は組み合わせを変えたり、再解釈もするし、偽の記憶を作り出したりなんでもする
Capgras Delusion: 偽物だといいはる人
- 親しみの感情というのが生じない
- だから脳は合理化して、偽物とする
脳の自然史
- ワーキングメモリからの書き込みに5sec
- 長期記憶の定着に 〜2weeks
- 編集に 〜year
脳の報酬系
- 見た目の美しさ、魅力
- +
- 脳の中の中朝的な報酬構造における作用
「できることはなんでもやる」という精神
できることは今あるツールでいい。それをどう組み合わせるか
Romantic Science
vs
Practical Science
脳の記憶を再現することは無理です。工学的には、もっとpracticalなアプローチを取るべき
small-world ネットワーク
- 脳のネットワークの性質
- Diffusion Tensor Imagingによって実際にsmall-worldになっている
脳の自発性
脳の活動は勝手に、自発的にやっている。 (yanagawa&mogi)
この活動の意味は、small-world network性を考えないといけない
- localだけじゃなくて遠くからも情報がきている
- 脳はnoise、つまり文脈から外れたinputを前提として活動している
偶有性
- ランダムと規則性の中間
- ここに脳を理解する
Brain+ in memory abundance
- 脳の記憶のシステムの属性を再現するのはやんないほうがいい
- それよりもメモリーがあばんだんとにある状況でどうするのか
- の方がいい。とにかく全部取っておけ。あとから考える
Design of contingency
Q and A
- Q: 次世代のアーキテクチャを考えるときに生物を参考にしたい
- たとえば免疫のメカニズム
- 脳はものすごい数の部品とネットワークからできている
- 人類はそのような部品でできたものを作ったことがない。
- A: 機械工学の人と脳について話すといやがる。偶有性はいやなもの
- Q: 偶有性。数が増えると偶有性がなくなる
- inputが増えたときに偶有性がどう高まるかが知りたい
- 創発が出てくるとおもしろくてたまらない
- A: 統計的に扱える領域と違う領域で脳は動いている
- 美崎さんぐらいまでやるとそうなる (drop)
- Q: SPAMの話。今求められているのはnoiseの中からおいしいものを抜き出す技術
- Q: インターネットはバッドノウハウでいっぱい
- A: Science紙のEconomisitic of Computer Security(2007/5ぐらい?)
- 少しずつパッチを当てていく方がいい
- 指摘してしまうとattensionしてしまう
- これらを経済学の原理で考えようというもの
- Q: 直交。違う原理で動いている物がハイブリッドになる
- A: 言語が登場することで脳が変わった。
- 最初は毒性として現れ、それに共生する
- なんでテレビ電話が普及しないのか
- 一度使ってしまうと、以降テレビ電話しか使えなくなる
- 普通の電話だと疑われてしまう
- 毒としても入れない
- Q: 驚きがある方がいいという話だが、
- ちょっと気の利いたことをやっているね、というぐらいがいい。
- ローテクなA.I.でも、ちょっと気の利いたことをしているぐらいでいい
- A: 連想検索エンジンは脳に近くなっている
- 脳の技術を追い求めるという幻想を追いかけるのは離れた方がいい
- Q: 偶有性の絵はなんで膝枕?
- A: 恋愛を表している
- でも、よく見ると男の人? -> これも含めて偶有性
- 人とのコミュニケーションがもっとも偶有性がある
- Q: コンピュータは知識を拡張できるのか?
- 英単語とか覚えなくていい、と思ってたのにそうなってない
- ある意味なっているが日常生活ではつかえない
- レスポンスタイムが全然遅い。
- でも、3秒になったら違う体験になるのでは
- むしろ、脳と差がなくなるのでは
- A: HAL (http://sanlab.kz.tsukuba.ac.jp/HAL/) はうまいアプローチ
- バーチャルリアリティは難しい
- 時間空間の限定が必要
- googleは時間的な縛りがないからできた。
- Audio Visualを自然なフィードバックをするのは難しい
- バーチャルリアリティは難しい
- Q: 脳の中からひっぱってくるものと外部記憶からひっぱってくるものとの差はないのでは?
- A: 記憶だったらなんとかなるかも。そこはおもしろいところ
- Q: 所々分からない単語があるとき、3秒注視すると引っ張ってくるとか。出し過ぎると分からなくなるけど
- Q: いや、常にgoogleしてじゃんじゃん出すのも作ってみればいいのでは
-
-
- -
-
電脳寄りの人間としての感想
- 実はもう結構知っているのでぼくにとって新規性は少なかったかも
- 驚きが少なくてドーパミンがでない?
- 茂木さんの話は面白かった
- 茂木さんの、「脳をそのまま再現するのはやめたほうがいい」というのはなるほどなぁ、と思った。
- 結局「隣の芝は青い」のかもしれないのだけれども。
- 茂木さんの、「脳をそのまま再現するのはやめたほうがいい」というのはなるほどなぁ、と思った。
- 偶有性(contingency)の概念は結構応用がきくかも
- 工学的には100%を追い求めたいんだが、それは無理、あるいはコストがかかりすぎる
- 「ほどほど」に落ち着けられるといい。でも、ほどほどがどこか分からない。
- こういうところに応用がきくかもね。